Complete Health Care
年齢別の病気
病気や問題の予防
ワクチン/薬による感染症/寄生虫病の予防
犬の予防プログラム
猫の予防プログラム
正しいしつけによる予防
屋内飼育による病気や事故の予防
不妊/去勢手術による病気の予防
正しい栄養による病気の予防
ストレス管理による病気の予防
年齢別の病気
犬でも猫でも,若いときには「感染症」が多く、また比較的まれではありますが「遺伝的な病気」も若いときを中心にみられます。中年以降は、いわゆる「壮年期の病気」、「老年期の病気」が増え、この中には、「代謝の病気」、「ホルモンの病気」、「腫瘍(しゅよう)」が含まれます。
病気や問題の予防
病気(けがを含む)の予防には以下のような要点があります。
1. ワクチン/薬による感染症/寄生虫病の予防
2. 正しいしつけにより事故や問題行動の防止,病院に慣れさせる
3. 屋内飼育による様々な病気や事故の予防
4. 不妊/去勢手術による生殖器の病気の予防
5. 正しい栄養による様々な病気の予防
6. ストレス管理による様々な病気の予防
7. 定期的健康診断と早期発見による早めの治療
ワクチン/薬による感染症/寄生虫病の予防
感染症や寄生虫病の多くは、抵抗力の弱い子犬、子猫にとっては脅威となります。
1. 犬の代表的な感染症
狂犬病
犬ジステンパー
犬パルボウイルス感染症
犬伝染性肝炎
ケンネルコッフ
2. 犬の代表的な寄生虫病
  犬糸状虫症(フィラリア症)
条虫症
回虫症
犬鉤虫症
ニキビダニ(毛包虫)症
ノミ
3. 犬の予防プログラム
  狂犬病ワクチン
   毎年接種が義務(できるだけ病院に行きましょう)
7種混合ワクチン
   初年度(子犬)は複数回の接種(最終14週までが望ましい)*
   ジステンパーから守るためには早めからの接種
   パルボから守るためには遅くまで接種
   1歳齢で追加
   その後は適切な間隔で*
寄生虫病
   フィラリア用飲み薬−蚊のいる季節から冬にかけて
   便検査による虫卵検出−薬物治療
ノミの予防/治療
   体のノミを殺す
   環境中のノミをなくす
*その個体ごとに最適な接種プログラムをお作りします
4. 猫の代表的な感染症
  猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)
猫ウイルス性鼻気管炎
カリシウイルス感染症
猫白血病ウイルス感染症
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染症
猫伝染性腹膜炎(FIP)
クラミジア病
ヘモバルトネラ症
5. 猫の代表的な寄生虫病
  コクシジウム
トキソプラズマ
猫疥癬(かいせん)
回虫症
条虫症
犬糸状虫症(フィラリア症)
耳ダニ
ノミ
6. 猫の予防プログラム
  3種混合ワクチン
   猫汎白血球減少症,猫ウイルス性鼻気管炎,カリシウイルス
   子猫では通常2回接種
   ハイリスクの子猫では4週齡からはじめて3回接種
   1歳齢で追加
   その後は適切な間隔で*
猫白血病ウイルスワクチン
   外に出る猫,家の中で感染猫と同居など
   子猫では2回接種,1歳齢で追加
   その後は適切な間隔で*
寄生虫病
   フィラリア用飲み薬−蚊のいる季節から冬にかけて
   便検査による虫卵検出−薬物治療
ノミの予防/治療
   体のノミを殺す
   環境中のノミをなくす
*その個体ごとに最適な接種プログラムをお作りします
   
   
正しいしつけによる予防
事故や問題行動の防止、病院に慣れさせる

犬ではしつけ教室にいつから通うか、いつから散歩を始めるかは重要な問題です。実際的には18週のワクチン接種完了まで他の犬と接触を断つと、非社会的な犬になってしまいます。しつけももっと早くからはじめた方が効果的です。
 しつけが悪くて他の犬と喧嘩をして死んでしまうのも、道に飛び出して車にひかれて死んでしまうのも、ワクチンを接種をしていなくて感染症で死んでしまうのも、犬の生命が絶たれることには変わりはないのです。また,愛される犬は、途中できらわれてしまうこともなく、幸せな一生を送れます。

したがって、正しいしつけは、正しいワクチンと同様に重要なことなのです。現在は同じような週齢の子犬を集めて、数回のワクチンが終わっていれば、他の犬は入れずに子犬だけでしつけ教室を行う病院が増えています。すなわち同じ週齢の子犬のグループを運命共同体と考えて、一緒にしつけを行ってしまおうという考え方です。散歩の開始時期は、他の犬との接触の可能性も考えて、最終接種終了まで待った方がよいでしょう。しかし、しつけはワクチンが数回済んだ同じ大きさの子犬達と一緒に、リスクはみんなで分かち合いながら、しつけの重要性を認識した上で早めに始めるのがよいと考えられています。

しつけのよい犬は.....
飼い主から愛されてよい一生を送れる
他の犬と喧嘩などせずトラブルに巻き込まれない
交通事故にもあわない
病院に慣れて,よく診察してもらえる
病院をストレスと感じない
これらすべてが犬の長生きにつながる
 
猫もしつけは可能です。家の中を汚さない(トイレの訓練)、大切な家具をひっかかない(つめとぎを与える)、去勢/不妊(尿がにおわない、スプレーをしない、発情しない)などで、愛される家庭猫になって、幸せな一生を送れます。また、小さいときから病院に行っていれば、病院をストレスと感じないで、しかもよく診察してもらえます。口の中をさわる訓練をしておけば、歯磨きもできるようになり、歯石の予防もできます。
屋内飼育による病気や事故の予防
動物はできる限り家の中で飼いましょう。犬は、放し飼いは禁止されています。他の人や動物に危害を加えない、事故に遭わない、いなくならない、ということは重要です。
 猫は、外で飼うのが猫の幸せと考える人が多いようですが、これはケースバイケースです。外の環境が本当に猫にとってよい環境ならそれもよいでしょう。しかし、日本の都市部で、猫にとってよい環境などありません。猫は外に出すと、平均寿命は約4歳です。家の中で飼えば10歳以上になります。
 家の外は危険がいっぱいです。猫白血病ウイルスはワクチンで予防できても猫免疫不全ウイルス(エイズ)は予防できません。猫は自分の領地を守るために喧嘩をします。交通事故も大変危険です。愛する動物がしばらく行方不明など、耐えられますか?
 猫は家につく動物といわれます。これが意味するところは、家でも外でも、とにかく猫は自分のテリトリー(なわばり)を持って、誰にもそれを侵されないならば、それが一番の幸せなのです。家の中を自分の領地にすれば、それだけで猫は幸せに暮らせるのです。
不妊/去勢手術による病気の予防
1. 犬ではやさしい家庭犬になる
2. 犬では早期の不妊(1回目の発情後まで)で乳腺腫瘍の予防
3. 犬では子宮蓄膿症など生殖器系の病気の予防
4. 犬では精巣腫瘍の予防
5. 猫では室内飼育のためには絶対必要
6. 猫では外に出ても喧嘩に巻き込まれない
正しい栄養による病気の予防
犬や猫の栄養学を専門的に勉強したのなら、家庭内調理で犬猫専用の食事を作るのもよいでしょう。しかし、そうでないなら、命取りにもなりかねないので、家で人間用の食事を与えるのはやめてください。
1. 犬や猫はミニ人間ではありません−ビタミンやアミノ酸の要求が違います
2. 犬や猫の食事には醤油や塩や砂糖はいりません
3. 犬や猫の食事にはネギ類が入ってはいけません
4. 犬は雑食,猫は肉食動物です
5. 犬用,猫用の総合栄養食を与えましょう
6. 生涯飼育のデータがある信用あるメーカーのものにしましょう
7. 栄養に関する正しい情報は動物病院で獣医師から得ましょう
8. 病気の時は,とくに獣医師の指導で療法食にしましょう
9. 一般用に売られているおやつの類はすべてが勧められるわけではありません
10. 療法食の中には病気の進行を予防するものもあります
ストレス管理による様々な病気の予防
 犬は人間と一緒に生活するということに本能的に喜びを感じています。犬は上下関係のある集団に属することが好きで、自分がリーダーになって満足する犬もあれば、リーダーの下に仕えることを最上の喜びとする犬もいます。狼を祖先とする犬は、このように集団(パック)で狩りなどの活動を行い、集団にはアルファと呼ばれるリーダーが存在するものです。しかしながら1頭づつ家庭で飼育されるようになると、家庭自体が犬の属するパックとなり、家族のだれかがアルファとなっています。複数の犬が家庭内に存在する時には、犬の間には必ず順位が生じています。もちろん自分がアルファになりたがる犬もいますが、これは人間の間違った扱いでそうなる場合が多いのです。犬は集団に属し、アルファの下についているだけで十分満足できる動物です。
 したがって犬の心配ごとというのは、パックの存在,アルファの存在です。テリトリー(なわばり)に対する執着は、犬種によって様々で、なおかつ常にアルファの問題の次です。
 犬が家庭内で心身ともに健康に生活できるかどうかは、アルファにかかっています。アルファが自分を認めてくれた、自分にやさしくしてくれた、自分をほめてくれた、自分に食事を与えてくれた、これらが犬の喜びです。したがって、家庭内でこの人間との上下関係、あるいは他の犬との上下関係がうまく行かないとき、犬は一番ストレスを感じます。
 ストレスを避けた生活というのは、人間にとっても犬にとっても健康維持にきわめて重要です。人間以上に犬はストレスに弱いものです。感染症も糖尿病も、またがんの発生もストレスとは無関係ではないといわれています。したがって、病気の予防にはストレスの回避が大切です。
 猫が家で暮らすとき、一番気がかりなことは何でしょうか。それはテリトリー(なわばり)です。家の中の猫は家全体、あるいは家の一部を自分のテリトリーと決めて、毎日そこに侵入者がいないか、様子が変わっていないか、見回りをしています。そこに見知らぬ敵が現れたり、激しい騒音が続いたり、変わったにおいがしたり、変化が起こると猫はとても心配になります。心配がストレスになります。そしてストレスは副腎からステロイドホルモンを分泌させ、その結果様々な病気が起こりやすくなります。猫はふつう病気になりにくいものですが、病気で病院に来る猫では、様々なストレス要因が背景にみられます。
ストレスを避けた生活を保証すること。これが猫にとって病気知らずに長寿を迎える秘訣です。